高校入試の数学

  学習指導要領改定の併害
 高校入試の数学

 入試数学を考えるときに欠かせないのが学習指導要領です。ゆとり教育を導入した学習指導要領(H14年度施行)により、それ以前には小6で習っていた角柱・円柱・角すい・円すいの体積はすべて中1に、また中2で習っていた相似が中3へとそれぞれ移行しました。さらに、球の体積・表面積・2次方程式の解の公式など、学習塾では当たり前に教えている事の多くが削除されました。この“ゆとり教育”がまねいたものを単純に学力低下ということをよく聞きますが、そう単純ではありません。私は現在も大手進学塾で生徒達の指導を行っておりますが、ここ数年強く感じるのは生徒の二極化です。つまり、よくできる生徒はやはり今もよくでき、中間層があまりおらず、できない生徒が多くなったということです。そのため、全体的に学力低下が生じているのです。私は先ほど“できる”“できない”という言葉を用いましたが、実は、これは“知っている”“知らないの差です。小学校の頃から塾に通っていた生徒は、本格的に塾に通ったことのない生徒より“知っている”だけなのです。この差を少しでも埋めてあげたい、それが、この研究所を開設した大きな要因の1つです。現行法(H23年度施行)では、球の体積・表面積・2次方程式の解の公式が復活しました。しかし、それまで中2で学習していた円が中3の2学期に移行し、入試数学の核の1つである相似もやはり中3の2学期に行うなど、中3の2学期以降のカリキュラムがあまりにも膨らんでいます。今までのカリキュラムでさえ、すべて終わらない学校があったのが、この移行されたカリキュラムにより、更に中学校だけの勉強では入試に太刀打ちできない現象が加速されることが目に見えています。

 入試数学における出題分野 入試数学における出題分野
 高校入試の数学

入試数学における出題分野は、公立共通問題、独自問題、私立、国立問わず、

  @小問集(一行問題集)
  A関数(1次関数、2乗に比例する関数)
  B平面図形(合同、相似、面積比、三平方の定理、円と相似、円と三平方)
  C空間図形(相似、三平方の定理を利用する問題が多い)

の4つの分野からその大半が出題されます。問題なのは、公立中学校ではこれらのうち1次関数と合同を除き、全て中3の2学期以降に初めて学校で習うという事実です。これが、入試数学を難しくしている最大の原因です。進学塾ではこの対策として、中2までに中3までの内容をすべて終了させ、中3では入試対策演習を行うSAPIXを筆頭に、多くの進学塾では少なくとも中3の10月までにはすべての内容を一通り終了し、それ以降は入試対策演習を行います。では、実際に具体的な入試問題の出題分野を見てみましょう。

都立日比谷高校 2010年 都立日比谷高校(自校作成問題校) 都立日比谷高校
 大問1〜4のうち
  1 小問集
  2 平面図形(作図、三平方の定理)
  3 関数(2乗に比例する関数、三平方の定理)
  4 空間図形(三平方の定理、相似、体積)

都立戸山高校 2010年 都立戸山高校(自校作成問題校) 都立戸山高校
 大問1〜4のうち
  1 小問集
  2 関数(2乗に比例する関数、三平方の定理、相似)
  3 平面図形(作図、相似、三平方の定理)
  4 空間図形(三平方の定理、相似、体積)

 重要なことは、大問の大部分は、中3の2学期以降に初めて学校で習う内容が絡んでいるということです。しかも、中学校によっては最後まで終わらない学校もあるという事実です。では、合格するためにはどうしたらよいのか、それは合格必勝法でお話ししたいと思います。

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